一万時間の法則

皆さんは一万時間の法則って、聞いたことはありますか?

これは空手でもピアノでも語学でも何でも「一万時間を費やして稽古したらその分野のエキスパートになれる」というものです。これは単なる根性論ではなく、それなりに根拠のある話だそうです。

ちなみに一万時間って感覚としてどの程度でしょうか?計算してみましょう。
仮に1日10時間を費やせるとしたら、1000日=3年ほどで達成です(土日祝もお盆も年末年始もなく、毎日10時間を3年間です)。でも普通、そんなことはできませんね。もう少し現実的に1日3時間と仮定すると、3000日以上=10年ほど掛かります(年中無休で毎日3時間を10年間です!)。これでも相当に厳しい条件です。考えてみれば社会人にしても、10年ほど同じ分野で色々と経験して一人前として扱われますよね。そんな感じです。余談ですが、週2回、約1時間ずつ稽古すると一万時間達成までに約100年も掛かります笑

ところで知識には「宣言的知識」と「手続き的知識」があります。
言葉にしたら難しく感じますが、例えば「自動車整備の知識(宣言的知識)」と「自転車の乗り方(手続き的知識)」の違いです。自動車整備の知識は文章で説明できますが、自転車の乗り方は「右に倒れそうになったら頭を左に傾けて重心を少し左に云々・・・」なんて説明しませんし、説明してもそんなことを考えて体を動かす人はいません。自転車に乗れる人は間違いなく全員、意識せずにそんな細かい身体操作を行なっています(スキーもこの類ですね)。

一万時間を費やして一つのことを突き詰めようとすると誰でも壁にぶつかります。この時に完全な独学だと「正しくない努力」に時間を費やすリスクがあります。自分の頭で考えながら試行錯誤して課題を自覚し、これに対する指導者からの正しいフィードバックを受け、課題を意識しながら反復練習することが重要だそうです。反復練習を続けることで「意識しながら」の部分が減っていき、無意識でできる範囲が増えていくのです。でもこの変化、実は階段のようにやってくることがあります(語学では顕著ですが、ある日突然「あれっ、できるようになってる!?」って自覚します)。だから反復練習は飽きずに続けましょう。続けていると(徐々にじゃなくて)突然上達します。

稽古では毎回、準備運動から基本稽古までの約20分の流れはいつもほぼ同じにしていますが、実はかなり意識してそうしています。基本稽古は正直、特に年少部の子ども達にとっては「毎回同じで退屈」だと思います。私自身も学生時代はそうでした。しかしながら、毎回同じ動きをし続けることで意識せずにできる動き(手続き的知識)に昇華します(でも意識せずにダラダラとやっているだけだと何も身に付きません!)。基本稽古の動きを見るだけで「あっ、この人できるな」と感じることがありますが、これは基本の動きが完全に「手続き的知識」として身に付いているんだと思います。

最後に余談ですが、例えばあるスキルにおいて一万時間を費やすことで人類の上位1%に入れるとしましょう。もしあなたがさらに追加で一万時間を使ってそんなスキルをもう一つ得たとします。すると、その二つのスキルが重要・有用な分野においてあなたは1% x 1% = 0.01%の稀有な人材(一万人に1人の逸材!)になれます。そんなところを目指したいですね。

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